燃やしてもダイオキシンや青酸ガスなどを出さず二酸化炭素も従来の半分、また、焼却カロリーが低く焼却炉を痛めません。
塗装した商品を再利用する際、プラスチックと塗装材料が分離するのを防ぎ、通常の再生工程によって、プラスチックを資源として再利用する事が可能となりました。
分別収集されたペットボトルのゴミをフレークと言う最も簡単な下処理の段階で再商品化する技術開発に成功しました。
要求する性能が高く熱硬化性樹脂などリサイクルしにくい樹脂を使った商品分野にたいして、エンジニアリングプラスチックなど再商品化できる高機能樹脂での提案をしています。
とうもろこしを原料にしたプラスチックで、捨てると二酸化炭素と水になるクリーンな樹脂です。
炭素繊維で強化された非常に軽くて丈夫な樹脂です。
外観光沢のある強化品や、医療現場で使われる滅菌商品。
外観が金属のようなプラスチック商品です。
プラスチックにヒーターをインサートして暖かくなります。
プラスチックにICタグを埋め込むことにより、自動清算や商品管理をするシステム。
お箸など高耐熱高強度品を生産しています。
『プラスチック射出成形』とは、プラスチック材料を加熱して流動状態にし、閉じた金型の空洞部(キャピティ)に加圧注入し金型内で固化させることにより、金型空洞部に相当する形を造る方法。これに金型の開閉や型締機構などを兼備えた、この一連の動作を行う機械を『射出成形機』といいます。
射出成形機もいろいろあり、また分類方法もいろいろあるようですが大別すると標準型射出成形機と専用化射出成形機に分類されます。
射出成形機の大半は熱可塑性樹脂用の標準型射出成形機(汎用機)によって行われています。
専用化射出成形機は目的に合わせた動作や機能を持たせた仕様の成形機です。
上の写真はごく一般的な横形の汎用機です。外観的には細長いベッド上に型締装置と射出装置(下の写真断面図)が横一直線上に置かれた形になっています。
機械の大きさも超小型から超大型(1トンから6000トン超)のものまで有るようです。この機械の大きさの表し方は通常その機械の最大型締力(単位はトンかkN)の数値で呼びます。
汎用の立形の射出成形機もあります。射出装置が型締装置の上に配置され、その中心線が立一直線に配列されています。インサート成形には金具が入れやすく金具も安定します。
これら汎用機の構造分類をすると下記のような方式に分類されます。
■射出装置と型締装置の配列
・横形
射出装置と型締装置が横一直線上に配列されています。
・立形
射出装置が型締装置の上に配置され、その中心線が立一直線に配列されています。
■型締装置
・トグル式
トグル機構による金型の開閉、型締めを行います。
・直圧式
油圧シリンダによって直接的に金型の開閉、型締め力を発生させます。
・トグル・直圧複合式
トグル機構と直圧式油圧シリンダ装置を組み合せた構造で、金型の開閉をトグル機構で型締めを油圧シリンダ装置で行います。
■射出装置
・インラインスクリュ式
スクリュとバレル、射出シリンダ、スクリュ駆動モータが同軸上に配置されており、材料の可塑化機能と射出機能を同軸上で行います。現在スクリュ式成形機の大半はこのインライン型の構造です。
・スクリュプリプラ式
可塑化装置と射出装置を別々に持たせたものです。スクリュシリンダで可塑化した樹脂は射出シリンダ先端部に溜まり、射出プランジャによって射出を行います。
・その他
プランジャ式、プランジャプリプラ式、剪断可塑化式、高圧可塑化式などがあるようですが、現在はインラインスクリュ式に代わり製造されていないようです。
■駆動方式
・油圧駆動
すべての動作を油圧で駆動します。
・電動サーボ機駆動
すべての動作を電動サーボモータで駆動します。
・油圧・電動サーボ機併用駆動
汎用の油圧駆動機の射出回路にサーボ電動機を使用したものです。
各部の名称と働き↑
①
油圧モータ
③のスクリュを回転させる装置です。
②
ホッパ
材料を入れる所です。
③
スクリュ
樹脂の移送、圧縮、混練、溶融、計量動作を含む可塑化動作、その他を行います。
④
加熱筒
プラスチック材料を可塑化する部分。スクリュシリンダやバレルと呼ばれています。筒状の外側にバンドヒータが巻かれ中にスクリュが内蔵されています。
⑤
バンドヒータ
加熱筒に巻かれているバンドヒータは、溶融熱量の不足分補給とウオーミングアップの熱量供給の役目をします。樹脂溶解の主役はスクリュ回転で生ずる剪断力によって起こる摩擦熱です。
⑥
可動盤
金型の可動側を取付ける型開閉の動作側の取付盤です。
⑦
固定盤
金型の固定側を取付ける取付け盤です。
⑧
トグル
金型開閉、型締の動作をさせる型締装置です。可動盤との間のリンク機構により力が拡大される構造になっています。
⑨
エジェクタ
製品を金型より突き出す装置です。
⑩
金型
樹脂を流し込む型
⑪
ノズル
加熱筒の先端に取付けてあり、金型のスプルプッシュに密着させて、ここから樹脂が金型に注入されます。
⑫
射出シリンダ
このシリンダに供給する動作油の圧力と流量(速度)の設置値でスクリュを前進させて射出動作をさせます。
作業内容
※それぞれ工場の設備や環境等の違いにより、作業内容は多少の違いはあります。
←熱風循環乾燥機
一部の材料を除き吸湿性があるため材料は乾燥させてから使用します。乾燥時間が数時間必要なため、前もって予備乾燥しておきます。後はホッパドライヤで材料供給しながら乾燥します。乾燥時間や温度はプラスチックの種類により違います。
金型をクレンで吊り上げ機械に取り付けます。取付後、型開閉の速度、位置、圧力、金型低圧保護、型締力等の動作設定等をします。
←金型温度調節機
材料やその製品の状態により水を通したり、金型温度調節器を使用して金型の温度コントロールをします。安定した成形品を作るためには、金型温度を一定にすることが成形条件の中でも大きな要素の一つです。
←加熱筒ヒータの温度を設定します。
加熱ヒータの温度設定は、ノズル部・前部・中間部・後部に大別され、設定温度は一般に前部より後部へ 5℃-20℃位低く設定します。
単に一速一圧で満足できる成形品を得ることが出来ればいいが、ヒケやフローマーク、ウエルドライン、その他いろいろな問題が発生します。それらの問題を解消するため下図のように段階的に速度や圧力・時間等を変化させるプログラム制御を使用して目的の製品を求めていきます。
射出工程では温度・圧力・速度・時間・位置の5つの要素を効果的に組合わせることにより目的の製品を求めていきます。
このプログラム設定の組合せは天文学的な数の組合せになる為、経験と勘に頼る部分が有りますが、この様に製品状態を見ながら温度・圧力・速度・時間・位置等を微調整しながら最良の成形品を求めていきます。
A ・ 充填初期のジェッティング防止のため90㎜から85㎜まで20%の速度に設定
B ・ 途中のシルバーストリーク等の表面不良対策のため64㎜から46㎜まで30%の速度に設定
C ・ 最後のバリやガス対策のために10㎜から25%に設定
D ・ ヒケ防止のため5秒間圧力90%に設定
E ・ Dの設定時間が過ぎるとヒズミ等防止のため圧力45%から25%に設定
※この図は変化を出すために架空の数値設定で描いたものです。
製品取出機やゲートカット機等の周辺機器の設定。
成形品を取出機で取り出せるように位置やタイミングを設定し、自動運転で生産が始まります。製品によっては機械に人が付いて作業する物もありますが、大半はロボットによる製品取出しで行われています。
成形品の2次加工には次のようなものがあり、必要に応じた加工をほどこして出荷します。
・仕上げ加工 (ゲート処理・バリ取り・バフ仕上げ・アニーリング)
・機械加工 (タッピング・穴あけ)
・溶着加工 (超音波による溶着・高周波による溶着・摩擦熱による溶着・直接加熱による溶着)
・接着加工 (接着剤による接着・溶剤による接着)
・メッキ
・真空蒸着
・ホットスタンプ
・塗装 (塗装・塗料での装飾)
・印刷 (シルクスクリーン印刷・タンポ(パット)印刷)